Hofner 500/1 World History Keith Custom
ポール・マッカートニー仕様への道

コントロール・パネルの変更
1965年製(2011年5月〜2011年6月)

コントロール・パネル
音質の面から言ってコントロール部の回路は非常に重要な役割を持つと思います。60年代初期物と現行物では使用パーツが大きく異なる為、音質が異なるのです。まずは60年代初期物のコントロール部を入手する事から始め、それをWorld Historyに移植する作業内容について述べていきたいと思います。仮に、どこか一点だけ現行物を改造するとすれば、このコントロール回路を交換する事をお薦めします。音質が60年代風になり、効果覿面なのです。

まず60年代初期物のコントロールパネルを入手する事から始めなければいけないのですが、ここで大事な事は、ただひたすら待つ事。楽器店のサイトやオークションサイトを、くまなく見て周り、その中から、これは大丈夫そうだと思う物を入手します。今回はeBayオークションで、ドイツの楽器店が出品していた「65年製のコントローラー」に決め、落札し、入手しました。
ご存じの様に、回路そのものは60年代初期物とそれほど変わりは無いものの、見てすぐ違いが分かるのがパネルのサイズ・・・。ここは切るなりどうにかするなりの技術が必要になる為、KEITHさんに相談しました。「大丈夫ですよ。出来ますよ。」との返事をもらい、早速KEITHさんにてお願いする事にしました。出来映えはやっぱりさすがの職人さん!素晴らしいの一言です。音質もさる事ながら、ノイズもガリも無いのです。徹底的にクリーニングして頂いた様です。
以下、その詳細を・・・。


2007年製 World Historyの回路
画像1をクリックすると画像が拡大されるのでよく分かりますが、実はこのスイッチ・・・、下地を白く塗ってあるに過ぎないのです・・・。現行のモデルが何故この部分が黒くなっているのか、全く不明なのですが・・・。せめて似せて作るのであれば、下地はクリーム色の様な白の方が良いですね。結局私は下地の部分を白く塗って使用していたのですが、これだけでは雰囲気は無く・・・。画像2を見ると、下に述べるのと比較しても、全くパーツが異なる為、音質は異なり、まさしく現代風Hofnerといった感じの音がします。先にも述べましたが、どこか一点だけ改造するならば、コントロール回路を60年代初期物に交換する事をお薦めします。

画像1

画像2


1965年製 500/1の回路
画像1がオークションサイトに掲載されていた画像。残念ながらノブが欠品ですが、現行の物でも充分代用出来ると判断し、これに決めました。しかし、この65年製コントロールパネルだと幅広になってしまい、見た目も全く異なってしまいます。そこで例によってKEITHさんに相談・・・。「充分可能ですよ」のお言葉を頂き!、改造を依頼する事にしました。出来上がってきた物が、画像2です。やはり雰囲気は抜群に良いのです。画像3を見ると現行品と全く異なる事が分かって頂けると思います。使用パーツ類が異なるのですから、音質に差があって当然ですが、実際に音出ししてみると実感出来るものです。なんとも言えないモコモコ感な音。特に中音部と高音部でハッキリ違いを聞き取れるのです。現行モデルでは中音も高音もやや現代風な音をしているのに対し、65年コントロールは中音がモコモコしており、高音部は控えめです。部品そのものが異なっているので当然と言えば当然ですが・・・。バンドで合わせてみればより良く分かります。今回も素晴らしい改造を行ってくださったKEITHさんに感謝!バリバリのヴィンテージ仕様な音に生まれ変わりました!
(1964年製Hofnerを所有していた時には気づかなかったのですが、現行物とオールド物を、外見から見分ける方法として、"VOLUME"などの「M」の字を見る方法があります。「M」の縦線(?)が真っ直ぐ平行に書かれている物は現行物。オールド物の「M」の字は、「八」の字の様に末広がり。
"VOLUME"の「L」の文字も、"VOLUME 1"と"VOLUME 2"で異なります。これらはオールドモデルのコントロールパネルに共通しているので、文字版の型の様な物が存在したと思われます。)

画像1

画像2

画像3