第6巻

紛失していた“ネガ”の謎...



清水さん:「ちなみにロール7で1ヶ所、大きくコマが足りなかった所が有るんですよ。キングコングが岩、蹴飛ばして、ゴジラが振り返って、放射能火炎を吐くじゃないですか。それがキングコングに『うわっ』って当たってキングコングが後ずさりする所が有るんですけど、あそこが、『12コマ』足りなかったんですよ...0.5秒...。」

:「えーー!」

清水さん:「ゴソっと無いんですよ...。で、レーザーディスクもブルーレイもそこを詰めて...詰めて編集して、動くアクションの途中なんで、一見分かんないんですよ...。」

TORIさん:「ブルーレイは海外版じゃなかったかな。」

清水さん:「あ、ブルーレイは海外版を使ったんでしたっけ...。(キングコングが)こう、ドサっと後ずさって、『何だ?この熱いなー』みたいな感じで、もう一回、こう...(ゴジラに向かって)行く所の間が...0.5秒足りなくて。」

:「えーーそうだったんですかーー!」

清水さん:「それは...0.5秒...前後のコマから復元して、埋めたんですよ...。それが今、Togen(東京現像所)で新記録になってますよ...。『12コマ埋めた』っていう...(笑)。」

:「えーーそうなんですかーー!えと、今回の復元作業で15秒分がデジタルで復元されたっていう...」

清水さん:「その15秒分の内の0.5秒は、その1カットで使っちゃってるみたいな感じなんですよ。」
      
TORIさん:「それはもう色んな所で、百十何ヶ所に分散されてる欠けコマを全部足すと15秒なんだけど...」

清水さん:「大体足りないのは2〜3コマなんですけど、そこだけ12コマも足りなくて...。なんでそこだけ12コマ足りないか、分かんないんですよね〜...。」

TORIさん:「ねぇ?...。だって、ただ裁断しただけの作業じゃ、そんなに欠け落ちない訳だから...。」

清水さん:「そうなんですよね〜...。」

:「例えば...短縮版作った時に『要らない』っていう判断されたのですかね〜〜...。。。」

TORIさん:「でも、あそこって、『短縮版ロール1』の頭に移動する時に何か有ったのかも知れないですよね。」

清水さん:「あ〜...かも知れないですね〜〜...なんか、編集の試行錯誤が有って...」

TORIさん:「うん、有った可能性はありますよね。」

清水さん:「『12コマだけだから捨てちゃえ』って言って捨てちゃったのかも知れないですね...。」

TORIさん:「これ(短縮版)の頭に使ってるじゃないですか...あそこの部分って...。この頭からカットシーン(全長版ロール7)への乗り換えだから...。行ける所までは、こっちで生きてて、で、その後、『短縮版の頭のハイライト』はいつ作ったかっていう...ね。昭和39年のリバイバルで、ダイジェストなんか付いてる訳が無いですものね...絶対昭和45年ですもんね...。」

清水さん:「あとは...これ(私が持参した『あんちょこメモ』を指差して)(コンピューターで復元された部分が)15秒って書いてあるんですけど、15秒の内の2秒は、終わりの『黒み』なんですよ...実は。」

:「あ!なるほど〜...」

清水さん:「『終わりマーク』が出た後の音が少しこぼれてたんで、『黒み』を足して、そこ(こぼれ出た音の部分)を全部生かしてるんですよ。」

:「あ〜〜なるほど〜〜...重要な部分ですよね〜...。」

TORIさん:「鳴き声の余韻を...」

清水さん:「鳴き声の余韻が、ブチって切れるとイヤなんで、ちょっと余韻を持たせようって、2秒足してるんですよ...終わりを...。それも有るんで、実は13秒なんですよ。」

:「あ〜!そうなんですね〜!」

TORIさん:「当時の二千何百メートル...ではどっちになってるんですかね...」

清水さん:「あ、いや、当時も無かったと言うか、当時も『終』は曖昧に切るじゃないですか。適当なんですよ...映画館は...。だから別にそこでブチって切る訳じゃないんで...自然に映写機止めて終わらせるだけなんで...、多分その余韻まで使ってたと思うんですけど、テレビって、非情にブチって切ってCMとか入っちゃうんで、そこでいきなりなんか、『予告』とか掛けられると余韻が冷めちゃうから、『2秒足そう』って言って『黒み』を足してるんですよ...」

:「あ〜なるほど〜...。。。テレビだと、最初と最後は0.5秒、無音じゃないといけないっていう、決まりがあるみたいですしね〜...」

清水さん:「そうですよね...。あと『ロール2』の頭も...あの氷山の所(2014年Blu-ray版で『13:56』の部分)も、音が2コマ先行してたんで、そこも絵を2コマ増やしてるんですよね。そうしないと、音が突然...欠けた音部分が出てきちゃう事もあるんで。」

TORIさん:「絵が黒くてもいけないし、かと言って『多胡部長』の部分(2014年Blu-ray版『13:56』)の所に音がズレ込んでもおかしいし、って...。」

清水さん:「多分、それも有って、ちょっと音が食い気味になってる所が有りましたよね...レーザーディスクかブルーレイか何かで...。」

TORIさん:「あと、これ(DVD)の(ロール)6〜7で、クロスフェイド掛けてるじゃないですか。6巻ケツと7巻頭(DVD版で『1:23:27』の部分)で...。つまりこれ(クロスフェイド)やってる人って、ロールの概念が希薄なんですよ...気にしていない...。『ロール毎に映画って成り立ってるものだ』っていう概念が無いと...『1本の続き物だ』と思っちゃうと、あの処理をしちゃうんですね。だけど、清水さんにしても僕にしても勿論そうなんだけど、ロール毎に...映画ってのは15分毎に切れてる物だっていう概念だと、そこで一旦リセットを掛けるという作業をしないと気持ち悪くてしょうがない...。だからロール1と2の間ってのは一応あそこで、ちゃんと切れていないとね。映画の構造...要するに物理的構造としておかしい訳だから。ましてや『6』と『7』のケツと頭がクロスフェイドなんか掛かる筈が無いという。」

:「そうですよね〜...」

清水さん:「なんでああいう処理をしたのか不思議ですよね。」

:「ですよね〜...」