第3巻

『発見されたカットネガ』〜『遂に発見されたオリジナルの字ネガ』



:「この時(1991年LD)に(カットされたオリジナルのフィルム全てが)見つかって...。ブルーレイ化の際に(カットネガの)『ロール1』の部分のみが見つからなかったというのは、何か特別な理由とか...有ったのでしょうか...。」

清水さん:「理由は分からないんですが、これ(2014年ブルーレイ) を出すって事になった時に、もう一回じゃあフィルムを探してみようって事になって、僕はあらゆる所を汲まなく探したんですけど見つからないんですよ...。
何処行ったんだろうな〜って...。それでも必死で探し続けてやっと見つけ出したのが、『キンゴジのカット分のロール3巻分』と『フランケンシュタイン対(地底怪獣)バラゴン』の国内版のラストロール』だったんですよ。」

:「えー!そうだったんですか!...。」

清水さん:「そん時は、3巻見つかったんで、『全部有る〜』って思ったんですけど、繋げてみたら1巻目のカットされた部分が...、ロール1の部分が無かった...。でももうこれを出さなくちゃいけないから、じゃあ、そこだけはDVDの映像をブローアップして出そうという話になっていったんですね...。」

TORIさん:「で、それで、『海外版なら取り寄せられますか?』って聞いたら、『取り寄せられる』って言うんで、それじゃあ、いくつかの部分は海外版を使って...。
で、『富士の決戦』も結構繋ぎが有って、コマ落ちが多いんで、イケる所は海外版に乗り換えちゃおうって...、かなりの箇所で海外版へ乗り換えが有るんですけど、でもなんか編集作業が変で...。」

:「あの...(米国)ユニヴァーサルからは、ネガを借りれた......貸してくれないですよね...。」

TORIさん:「いや、確かブルーレイの...」

清水さん:「多分、この海外版のブルーレイで出てるじゃないですか。これのマスター...。」

TORIさん:「ブルーレイ・マスターだった。」

清水さん:「(米側から)ブルーレイ・マスターを送ってきてくれたんですね...。それでもう一回編集掛けてる...。その後、“ロール1のカットネガ”も発見して、4K版への流れになりました。」

:「なるほど...そうだったんですね〜...。
えと、今回の“4Kデジタルリマスター版”のプロジェクトに際して、今回...初めて『オリジナルの字ネガ』も発見されたとの事で、それも本当に素晴らしい事だと思いました! で、...過去のソフトでは『“シーホーク号内シークエンス”の日本語字幕』が、『短縮版』に切り替わると『字幕』が揺れていたんですけど、今回の“4Kデジタルリマスター版”では、『短縮版』に切り替わっても『日本語字幕』が揺れなくなったのですが、これは何か...字幕にデジタル処理の様なものを施されたのでしょうか...。。」

清水さん:「昔はテレシネする時は、絵と字ネガを合わせてプリントを焼いてからテレシネしてたんで、焼き込まれていたんですけれども、今回の『4K版』ではバラバラにスキャニングして合成作業をしてるんですよ。で、その合成作業をする時に、絵も、字幕も、揺れを一回止めてるんですよ。それでだと思います。」

:「なるほど...。。そういう事だったんですね...。。」

清水さん:「で、実は...完全に止めると、デジタルっぽくなって気持ち悪くなるんで、字幕は多分止めてるかも知れないんですけど、絵に関しては、微妙に揺れを残してるんですよ。」

:「えーー!そうなんですか!」

清水さん:「フィルムらしさを出すぐらいの微妙なところだけ揺らしを...揺れを残してるんですよ。そうするとフィルムっぽさが出るんですよね...。
1作目のゴジラのデジタルリマスターを作った時に、ビタ止まりでテストを観たら気持ち悪くて、なんか『これアニメかよ』みたいな感じになっちゃったんで、やっぱ『ここまで止めちゃいかん...フィルム作品をここまで止めたらいけない』っていう話になって、それから先、全てのデジタルリマスターは微妙に揺らしてるんですけど...」

TORIさん:「でも別に人為的に揺らしている訳じゃなくて、オリジナルの揺れを採っておいてある感じですよね。」

:「あ〜...そうだったんですね〜〜...。」

清水さん:「なので、字幕に関しては、多分揺れがデカかった所は、昔のプリントの時とかに、多分作業時で、揺れちゃってた部分は...、そういうデカい揺れとかは全部抑えてある、っていう感じですね。」

:「そうだったんですね...」

TORIさん:「で、しかもこの時(1991年LD)には短縮版しか字ネガが無くて、全長版は無かったから、新しく作って足してたし、こっち(2014年ブルーレイ)も新しく作って足してたんだけど、この時は字幕が似なくて、顰蹙を買ったんだけど...。」

清水さん:「(笑)」

TORIさん:「今度は全部...字ネガも全部出てきたから...字体も全部本物...。」

:「( ここでタブレット端末〔Kindle・笑〕を鞄から出して、私のHPに載せた『字幕の変遷』を3人で確認)」

TORIさん:「ブルーレイ版はね...字が似なかったっていうんでね...。。」

:「でも、限りなく...こう近づいている感じが凄くして〜...。」

TORIさん:「そう、これは全部僕が16mm(貸し出し用の全長版)の画面から読み出して『これを全部字幕にしてください』って出した時に、ダメだろうな、と思ったんだけど、『なるべくそんな雰囲気が出る字を作りました』って言われて、『あ〜すいません〜!』って。」

清水さん:「(4K版の字幕を指差して) これがですね...この字ネガが他のネガに混ざってしまっていたのが、今回発見出来たんです。」

:「えーー!そうなんですか!」

清水さん:「『やったー!』って言って...、それで今回、復元が叶ったという...」

:「えー!そうなんですか!」

清水さん:「だから調べてみるもんですよ。」

TORIさん:「もしこれが無かったら、16mmからトレースして、いちいち填め込む作業をしないといけなかったかも知れない...。」

:「あ〜そうなんですね〜...」

清水さん:「あとは、DVDとかブルーレイ作る時に、結構セリフに合わせて(字幕の)タイミングを修正しちゃってあるんで、それもわざと...16mm当時に合わせて、わざとズレまで再現してるっていう...(笑)」
      
:「最高です!思わず最高...感動しまくりです...。。。」