キングコング対ゴジラ
オリジナル復元版
紙箱ビデオ

"キングコング対ゴジラ"、初のビデオリリースである。
1985年6月1日、ビデオテープとして、「VHS」「β」ソフトを同時リリース。

発売当時、筆者は当時活動していたバンドのリハ帰りに、渋谷だったか池袋だったかのレコード店で購入したと記憶している。
レジの隣の大きな机にズラーっと「VHS」「β」ビデオが綺麗に2列に並べられていた。
ワクワクする思いを隠しきれずに「βビデオ版」の方をレジに持っていくと、レジ打ちのバイトの子から「βビデオでよろしかったですか?」といつもの挨拶代わりの言葉を掛けられ、「はい」と答えたのだ。
まさしく、これが私にとっての初めての「キングコング対ゴジラ」との出会いだった訳で、子供の頃に住んでいた鹿児島などでは「キンゴジ」をテレビで放送するなんて、まさかまさか、有り得なかったのである。

家に持ち帰り、早速観たこの「キングコング対ゴジラ・オリジナル復元版紙箱ビデオ」は、まさしく、ビデオテープがビデオデッキに食べられるまで(ビデオデッキの中でテープがグシャグシャに絡み付くまで)、食らいついて観まくる程に魅了された訳である。当時の私はサイレント映画ファンで、チャップリンやグリフィス、デミル、ラング作品など、日本語字幕が付いているサイレント映画であれば何でも買い始めていた頃だったので、この「傷だらけの16mmフィルム」を含むキンゴジ・ビデオに、心底没頭していたのである。子供の頃から東宝特撮好きでゴジラ好きでキングコング(昭和8年作品)好きでサイレント映画好きな私にとっては、滑降の好物となってしまったのだ。

一体、何度観たのだろう・・・ビデオテープがダメになってしまい、好きなビデオが観られなくなる恐れを感じ始めていた頃に、筆者はLDプレイヤーを購入した。そして(他のゴジラ作品を差し置いてでも)「キングコング対ゴジラ」のLDを真っ先に買ったのだから、相当な禁断症状が出ていたのには間違い無いのだ・・・。
<「VHS」「β」ビデオを知らない方向け>

この「紙箱オリジナル復元版ビデオ」は、「Hi-Fi」導入前のビデオで、例え「Hi-Fi」対応のデッキであっても、再生はそれ以前の「ノーマル規格」に準ずる。
音声は「ビデオテープの下側」に設けられた音声専用のトラックを通す事で音声が再生される仕組みで、それはカセットテープよりも遅いスピードであり、音質はあまり良くない。
「Hi-Fi」のビデオでは、ビデオデッキ内部のシリンダー状のヘッドが音声も拾う仕組みになっており、こちらでは「ステレオ録音」「ステレオ再生」が可能となる。ただし、映像トラックの一部を音声トラックも占めている為、より厳密なトラッキング調整が必要となり、機器によってはオートで調整出来るものの、大概においてトラッキングズレを起こし、音声トラックにはノイズが混入しやすい(オート調整は映像優先となる為)。ヘッドは映像と音声を拾う仕組みなので、当然画質も悪くなるという欠点がある。

「Hi-Fi」が導入されるまでのビデオデッキは、音声トラックはいまいちでも、画質は非常に優れていたと思う。私はβ派だったが、「βI」で記録された市販ビデオはほぼ無いとは言え、画質に優れていた。一方のVHSは「1倍速(標準速)(セルビデオは全て1倍速)」と「3倍速」を選択出来た為、βの標準であった「βII」で再生する場合より「VHS標準速」の方が優れていたとされる。これがβビデオの衰退に繋る要因になっていたのかも知れない。

今回、筆者が入手した「オリジナル復元版紙箱ビデオ」は、レンタル落ちのVHS。ノーマル音声だった為、音質はあまり良くないが、画質は良いのではないかと思われる。レンタル落ちの中古品ではあったが、視聴するには充分な範囲の物。近日中にでも「美品」の「オリジナル復元版紙箱ビデオ」を入手したいと思う。どちらにしても、私にとっては新たなる宝物になってしまったのだ。
以下に「オリジナル復元版紙箱ビデオ」の特徴と「オリジナル復元版LD」との主な違いについて簡単に触れる。

1.冒頭の「東宝マーク」の映像は流用版を使用。16mm版、ニュープリント35mm版、共に音声はモノラルヴァージョン。
「オリジナル復元版LD」の項で述べた物と同じく、1961年の「モスラ」の「東宝マーク」が使用されてあった。
同時に流される伊福部さんのテーマ音楽は、出演者クレジット終了と同時にフェイドアウトし完全に消えるが、その後の本編の「皆さん〜地球は・・・」の部分にも音楽が残っている為、ここに修正が必要だと「東宝映像事業部の方々」は感じられたのではないか・・・。それを修復する過程の物が「オリジナル復元版・LD回収盤」となって出荷されてしまったのではないか、と推測している。

2.「コング、東京へ」のシーンで、1カット存在しない。
当時の紙箱ビデオでは、「オリジナル復元版・未編集プレス盤」と同様に、キングコングが東京へ移動を開始する際の1カットが足りない。
オリジナル復元版 紙箱ビデオ版・回収LD盤

オリジナル復元版 LD正規リリース盤


3.音声について。
この「オリジナル復元版・紙箱ビデオ」の「1カット足りないシーン」で、音楽は普通に続いている為、これらの作業に用いられた音声トラックは、新たにリミックスされたモノラル音源だったのではないか、と推測している。
「1カット足りない」のであれば、音楽は飛ぶ筈である。
したがって、2019年現在、オリジナルのモノラル音声を聴く事が出来るのは、過去に発売されたドラマ編LP盤と、2014年発売のブルーレイのみだった、という事になるのかも知れない。



2種類のフィルムは、縦横比がそれぞれ異なる為、映像が切り替わるとサイズも変化する。


4.「赤ラベル」が初期リリース。「青ラベル」が後期リリース。
この「オリジナル復元版・紙箱ビデオ」は、ビデオカセットに「赤いラベル」のタイトルが貼られているが、「青いラベル」の物も存在する。
筆者はまだ「青いラベル版」の物は未視聴だが、もしかしたらもしかしたらである、オリジナル復元版のLD正規リリース盤をビデオテープ化した物が「青いラベル版」として売られていた可能性があるならば、私はそれを否定出来ずにいる。是非とも入手したい・・・。。


と書いたのですが、内容は全く同一でした。。
やっぱり「レンタル落ち」よりも「セルビデオ」の方が、テープの状態がよろしい・・・。。(2019年9月追記)